名義預金の贈与時期

概要

子供に内緒で子供の名義の預金口座に親が預けている、現実にはよくあることかと思います。こういう預金のことを専門家の間では名義預金といいます。ここでは、名義預金の贈与について考えていきます。

質問1

子供の名義の銀行口座に親が貯金したら、贈与税がかかりますか?

答え1

こういう問題のことを、専門家の間では、「名義預金」の問題といいます。「名義預金」とは、預金口座の名義が、その預金の原資を出資した人でない口座をいいます。

言い換えると、名義だけを他人から借りているような銀行口座です。

質問のように、子の口座に親が貯金したらその口座はいわゆる「名義預金」になるわけです。

では、この名義預金貯金したときに贈与税が課されるのかといえば、答えはNOです。

次の通達をみてください。

条文相基9-9(財産の名義変更があった場合)--------------------------

 不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする。

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注目していただきたいのは、名義変更をもって贈与として取り扱うのは、「不動産、株式等」の取得だけで預金は含まれていないところです。

これは、税務署側が、不動産や株式については名義の変更を割と捕捉することができるのに対し、預金は国民がつくった銀行口座ひとつひとつにつき、その原資が本人のものか確認することはできないからだと思われます。

もし、名義預金をつくった時に贈与税を課税するとなると、贈与税の時効までにすべての課税漏れを捕捉するのは困難です。

だから、税法の世界では、

預金の名義が変わった時 ≠ その預金を贈与したとき

なのです

質問2

では、贈与にならないとすると、税金はかからないってこと?

答え2

贈与の扱いにならないということは、そもそもあげなかったってことになるから、預金はそのまま親のものってことになります。

つまり、親が死んだときに相続税の対象になるので要注意です。

質問3

名義が変わっただけじゃ、贈与にならないというのはわかりました。ではどのような瞬間に贈与になるのですか?

答え3

まずは、

口座名義名義人が「もらったよ」という贈与税の申告書を提出したとき。

これはその申告した年中に贈与があったとしても課税漏れもなく、贈与者もあげる意思があり、もらう側も、もらった意思を示しているわけですから問題なく贈与としてよさそうです。

問題は、申告書の提出がなかったときなのですが、実はこの点についてははっきり法律で決まっているわけじゃないので、ある程度感覚的なものになってしまいます。

具体例があったほうがよいので、次の設問をみてください。

①の時点では税法上贈与として扱わないというのは、上記で述べました。

では②の子がもらった意思表示をした場合はどうでしょうか?この場合は過去の事例をみても裁判で勝ったり負けたり、いわゆるグレーゾーンに該当します。

③の様に、子Aが使用する環境が整っているところをもって贈与と考えます。

②、③のいずれのケースも贈与という主張をする場合には、はっきり贈与の事実を証明する書類を作成することが大切です。

≪補足事項≫

このことは預金に限らず、現金についても同様のことが言えます。

子供用の財布に親がお金を入れていた。こんなケースのことですね。

≪補足事項≫

相続税の調査では、贈与契約書があったとしてもそれが後日に作成されたのではないかという疑念の目でみられることも多いです。

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